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【要約】:日本凋落の原因を探る!ネイション=国民共同体とグローバリズム!堀茂樹【赤坂ニュース362】|日本が衰退した原因は、日本人が自国の集団的な性質や強み・弱みを誤認し、グローバリズムに傾倒したエリート層が国民共同体への責任感を失ったことであるため、国民共同体の力を再認識し、本来の意味でのポピュリズムを追求することが必要である。

日本凋落の原因を探る!ネイション=国民共同体とグローバリズム!堀茂樹【赤坂ニュース362】

日本の衰退の原因は国民共同体の性質を誤認したことである

  • 日本人という集団がどこに強みがあり、どこに弱みがあるのかを取り違えたことが日本の衰退の原因であると考えられる。

ゲストの堀茂樹氏はフランス文学研究者であり慶應大学名誉教授である

  • 赤坂ニュースのゲストである堀茂樹氏はフランス文学研究者、翻訳家、慶應大学名誉教授である。
  • 堀茂樹氏はエマニュエル・トッド氏の著書の翻訳を多数手がける。

堀氏はトッド氏の考え方に最初は抵抗感を持っていた

  • 堀氏はトッド氏の人類学者および歴史家としての仕事の量と質を圧倒的だと感じ、トッド氏を尊敬している。
  • 堀氏は2000年代前半のある出版社の討論会でトッド氏と初めて会った。
  • 堀氏はその後フランスのトッド氏の自宅を訪ね、世界の政治や日本のことについて話し意気投合した。
  • しかし堀氏は当初トッド氏の研究方法や考え方に抵抗感を持っていた。

トッド氏の研究方法は歴史的な事実の掘り起こしを重視する社会学である

  • 堀氏はよく学んでみるとトッド氏の言っていることは概ね非常に正確を射ていると考えるに至った。
  • トッド氏は哲学者でも思想家でもなく歴史的な事実の掘り起こしを行う社会学者である。
  • トッド氏の経験主義的な姿勢は価値判断を置いておき事実をまず重視することである。

国民共同体という日本語がネーションの概念構成として最も適切である

  • 近代国家の形成におけるネーションという概念は、その概念構成について意見が対立している。
  • 堀氏はネーションに国民共同体という日本語を当てるのが最も適切であると考えている。
  • ネーションという言葉には国家、民族、国民など多様な捉え方がある。

国民共同体は個人の自由と集団の拘束という両方の側面を持つ

  • 人間の行動は個人の自由と集団に属する人間としての限界や拘束という両方の側面を持つ。
  • 国民共同体とは生物学的な人という段階と個人名という段階の間にある段階である。

国民共同体には自由な契約と継承すべき宿命という異なる捉え方がある

  • 国民共同体は自由な個人が契約を結び利益と運命を共有しようとする個人の意思に基づくものという捉え方がある。
  • 一方で国民共同体は先祖代々与えられてきたものを継承する宿命的なものという捉え方がある。
  • 日本人は離脱も帰化も可能であり民族よりも開かれた集団であるが血筋や文化を重視する考え方もある。

リベラルは個人の自由な契約を保守は集団のおかげを重視する

  • リベラル的な考え方では国民共同体は自由な契約であり個人あっての集団である。
  • 保守的な考え方では国民共同体は集団あっての個人であり集団のおかげで個人が手柄を立てるという考え方を重視する。

新自由主義は個人第一の傾向を強めるリベラリズムの極端な例である

  • 今日の日本のリベラルは集団としての民衆の利益よりも個人の尊重を重視する傾向を強めている。
  • 新自由主義はバラバラの個人が自身の利益のために最大限有利な行動を取れば全体として予定調和するという個人第一の考え方である。
  • 新自由主義は[今だけ金だけ自分だけ]というエゴイズムを推奨している。

堀氏は自身の晩年における反省により保守的な考え方を認める

  • 堀氏は人間の尊厳は人間が自然から逸脱した自由や自己改善可能性を持っていることにあると考える。
  • 自由主義に立脚するにしても与えられたものとしての限界を無視して自由を考えるのは不毛である。
  • 自由主義はもっと謙虚で慎重でなければならない。
  • リベラリズムが反省すべきところであり堀氏は晩年に保守の主張にもなるほどと考えるようになった。

日本人の集団的性質を誤認したことが日本の衰退を引き起こした

  • 堀氏は日本が衰退した一言で言える理由は日本人という集団が自分たちの性質や傾向、強みや弱みを全体として取り違えたことであると考える。
  • 日本人には日本人であることを素直に認めない傾向や[日本人離れしている]ことを良いこととする風潮が流行した。

日本は集団主義的なメンタリティや序列構造を歴史的に有する

  • 日本はヨーロッパに比べると集団主義的なメンタリティや価値観、行動様式、監修を持っている。
  • 歴史的に形成された予見としての集団主義的傾向をしっかり捉え良いところを伸ばし調整をかけていく必要がある。
  • 日本人は日本的な経営や日本式を古いもの、ガラパゴスだと卑下してきた。

日本人は敗戦後に序列意識からアメリカを兄貴扱いする傾向を持った

  • 日本が戦争に負けてからアメリカの前にひれふすようになったのは日本人が文化的に序列を重んじる人類学的傾向を持っているからである。
  • 兄弟姉妹に序列がある日本の家族構造のように負けてからはアメリカを兄貴扱いしその指導に従っておけば平和であり秩序であると考えるようになった。
  • 国際関係においては一国の尊厳にかけて対等に渡り合っていかなければならない。

日本のエリート層は国民集団から離脱し世界で活躍することを是とする

エリート層は国民集団を仲間と見なさず責任感の欠如が生じた

  • エリート層は国民集団を自分たちの仲間とあまり見なさなくなってしまったという大きな問題が背景にある。
  • ここでいうエリートとは高学歴層のことである。
  • かつての日本のエリートは肉体労働やエッセンシャルワークに従事する人々を含めた日本人集団に責任を持ちリーダーとして集団を良くしていこうと考えた。
  • 今のエリート層は国民集団をお荷物と見なし[おかげ様で]という感謝の念を失っている。

国民共同体の力がグローバリズムに対抗する力になり得る

  • 国民共同体の力はグローバリズムに対抗していける力にならなければならない。
  • グローバリズムは国民共同体を壊そうとする。
  • グローバリズムに走らないように人々がまとまる枠組は必ず国民共同体である。
  • 国民共同体がなければ民主主義も成り立たない。

民主主義の成立には仲間意識による一定の排除メカニズムが必要である

  • 国民として一体の仲間だという一体感が民主主義には必要である。
  • 仲間意識は仲間と仲間でないものを必ず分けるというメカニズムを伴う。
  • このメカニズムを受け入れながらそれを野蛮にしないこと、ひどいやり方で排除したりしないことが大事である。

賛成党には本来の意味でのポピュリズムであってほしい

  • 堀氏は賛成党にいい意味の本来の意味のポピュリズムであってほしいと期待している。
  • ポピュリズムとは習慣、価値観、監修をお互いに真似し合う関係である。
  • 国民共同体は民族ではないため外から来た人も徐々に同化が進む。
  • 日本人の文化的一体感が保たれることが民主政治を機能させる最も必要な条件である。

政治的連帯だけでなく社会的な同化・同質性こそがネーションを成り立たせる

  • 政治的な繋がりとしての一般利益を共有する連帯だけではネーションは成り立たない。
  • ネーションが成り立つには社会的な同化・同質性が強まっていくことが必要である。
  • 憲法草案で帰化した人を3代まで公職につかせないという考え方は根本的な不信の目で外から来た人を見るものであり良くない。
  • 極端に走るのは良くないが国民の資格を持つ人とそうでない人を一律に同じ扱いをするのも論外である。

日本凋落の原因を探る!ネイション=国民共同体とグローバリズム!堀茂樹【赤坂ニュース362】|日本が衰退した原因は、日本人が自国の集団的な性質や強み・弱みを誤認し、グローバリズムに傾倒したエリート層が国民共同体への責任感を失ったことであるため、国民共同体の力を再認識し、本来の意味でのポピュリズムを追求することが必要である。

日本凋落の原因を探る!ネイション=国民共同体とグローバリズム!堀茂樹【赤坂ニュース362】

日本の衰退の原因は国民共同体の性質を誤認したことである

日本人という集団がどこに強みがあり、どこに弱みがあるのかを取り違えたことが、日本の衰退の原因であると考えられる。

ゲストの堀茂樹氏はフランス文学研究者であり慶應大学名誉教授である

赤坂ニュースのゲストである堀茂樹氏は、フランス文学研究者であり、翻訳家であり、慶應大学名誉教授である。 堀茂樹氏は、エマニュエル・トッド氏の著書の翻訳を多数手がけている。

堀氏はトッド氏の考え方に最初は抵抗感を持っていた

堀氏は、トッド氏の人類学者および歴史家としての仕事の量と質を圧倒的だと感じ、トッド氏を尊敬している。 堀氏は、2000年代前半のある出版社の討論会でトッド氏と初めて会った。 堀氏は、その後フランスのトッド氏の自宅を訪ねて、自宅近くのカフェで世界の政治や日本のことについて話し、意気投合した。 しかし、堀氏は当初トッド氏の研究方法や考え方に抵抗感を持っていた。

トッド氏の研究方法は歴史的な事実の掘り起こしを重視する社会学である

堀氏は、よく学んでみるとトッド氏の言っていることは概ね非常に正確を射ていると考えるに至った。 トッド氏は哲学者でも思想家でもなく、歴史的な事実の掘り起こしを行う社会学者である。 トッド氏の経験主義的な姿勢は、価値判断を置いておき、事実をまず重視することである。

国民共同体という日本語がネーションの概念構成として最も適切である

近代国家の形成におけるネーションという概念は、その概念構成について意見が対立している。 堀氏は、ネーションに国民共同体という日本語を当てるのが最も適切であると考えている。 ネーションという言葉は、国家、民族、国民など、多様な捉え方がある。

国民共同体は個人の自由と集団の拘束という両方の側面を持つ

人間の行動は、個人の自由と、集団に属する人間としての限界や拘束という両方の側面を持つ。 国民共同体とは、生物学的な人という段階と個人名という段階の間にある段階である。

国民共同体には自由な契約と継承すべき宿命という異なる捉え方がある

国民共同体は、自由な個人が契約を結び、利益と運命を共有しようとする個人の意思に基づくものという捉え方がある。 一方、国民共同体は、先祖代々与えられてきたものを継承する宿命的なものという捉え方がある。 日本人は、離脱も帰化も可能であり、民族よりも開かれた集団であると言えるが、血筋や文化を重視する考え方もある。

リベラルは個人の自由な契約を保守は集団のおかげを重視する

リベラル的な考え方では、国民共同体は自由な契約であり、個人あっての集団である。 保守的な考え方では、国民共同体は集団あっての個人であり、集団のおかげで個人が手柄を立てるという考え方を重視する。

新自由主義は個人第一の傾向を強めるリベラリズムの極端な例である

今日の日本のリベラルは、集団としての民衆の利益よりも、個人の尊重を重視する傾向を強めている。 新自由主義は、バラバラの個人が自身の利益のために最大限有利な行動を取れば、全体として予定調和するという個人第一の考え方である。 新自由主義は[今だけ金だけ自分だけ]というエゴイズムを推奨している。

堀氏は自身の晩年における反省により保守的な考え方を認める

堀氏は、人間の尊厳は、人間が自然から逸脱した自由や自己改善可能性を持っていることにあると考える。 自由主義に立脚するにしても、与えられたものとしての限界を無視して自由を考えるのは不毛であり、もっと謙虚で慎重でなければならない。 リベラリズムが反省すべきところであり、堀氏は晩年に保守の主張にもなるほどと考えるようになった。

日本人の集団的性質を誤認したことが日本の衰退を引き起こした

堀氏は、日本が衰退した一言で言える理由は、日本人という集団が自分たちの性質や傾向、強みや弱みを全体として取り違えたことであると考える。 日本人には、日本人であることを素直に認めない傾向や、[日本人離れしている]ことを良いこととする風潮が流行した。

日本は集団主義的なメンタリティや序列構造を歴史的に有する

日本は、ヨーロッパに比べると集団主義的なメンタリティや価値観、行動様式、監修を持っている。 歴史的に形成された予見としての集団主義的傾向をしっかり捉え、良いところを伸ばし、調整をかけていく必要がある。 日本人は、日本的な経営や日本式を古いもの、ガラパゴスだと卑下してきた。

日本人は敗戦後に序列意識からアメリカを兄貴扱いする傾向を持った

日本が戦争に負けてから、アメリカの前にひれふすようになったのは、日本人が文化的に序列を重んじる人類学的傾向を持っているからである。 兄弟姉妹に序列がある日本の家族構造のように、負けてからはアメリカを兄貴扱いし、その指導に従っておけば平和であり秩序であると考えるようになった。 国際関係においては、一国の尊厳にかけて対等に渡り合っていかなければならない。

日本のエリート層は国民集団から離脱し世界で活躍することを是とする

日本のエリート層は、国民から離脱することを優秀なこと、世界に羽ばたくこととして良しとする意識を持っている。 ほとんど全ての日本の大学は[グローバルに活躍する人材を排出する]というスローガンを掲げている。 国際化とグローバル化は違うものであるが、グローバリズムという現象をイデオロギーとして寄り添おうとしている。

エリート層は国民集団を仲間と見なさず責任感の欠如が生じた

エリート層は、国民集団を自分たちの仲間とあまり見なさなくなってしまったという大きな問題が背景にある。 ここでいうエリートとは、高学歴層のことである。 かつての日本のエリートは、肉体労働やエッセンシャルワークに従事する人々を含めた日本人集団に責任を持ち、リーダーとして集団を良くしていこうと考えた。 今のエリート層は、国民集団をお荷物と見なし、[おかげ様で]という感謝の念を失っている。

国民共同体の力がグローバリズムに対抗する力になり得る

国民共同体の力は、グローバリズムに対抗していける力にならなければならない。 グローバリズムは国民共同体を壊そうとする。 グローバリズムに走らないように人々がまとまる枠組は、必ず国民共同体である。 国民共同体がなければ、民主主義も成り立たない。

民主主義の成立には仲間意識による一定の排除メカニズムが必要である

国民として一体の仲間だという一体感が民主主義には必要である。 仲間意識は、仲間と仲間でないものを必ず分けるというメカニズムを伴う。 このメカニズムを受け入れながら、それを野蛮にしないこと、ひどいやり方で排除したりしないことが大事である。

賛成党には本来の意味でのポピュリズムであってほしい

堀氏は賛成党にいい意味の本来の意味のポピュリズムであってほしいと期待している。 ポピュリズムとは、習慣、価値観、監修をお互いに真似し合う関係である。 国民共同体は民族ではないため、外から来た人も徐々に同化が進む。 日本人の文化的一体感が保たれることが、民主政治を機能させる最も必要な条件である。

政治的連帯だけでなく社会的な同化・同質性こそがネーションを成り立たせる

政治的な繋がりとしての一般利益を共有する連帯だけでは、ネーションは成り立たない。 ネーションが成り立つには、社会的な同化・同質性が強まっていくことが必要である。 憲法草案で帰化した人を3代まで公職につかせないという考え方は、根本的な不信の目で外から来た人を見るものであり、良くない。 極端に走るのは良くないが、国民の資格を持つ人とそうでない人を一律に同じ扱いをするのも論外である。