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高市首相がトランプと組む理由とは?サナエノミクスの核心に迫る◎渡邉哲也氏(3/4)|『世界と日本経済大予測2026-27』PHP研究所|高市内閣は、アメリカとの連携を強化し、日本の優れた技術力を世界の経済安全保障および二酸化炭素削減という環境問題解決に活用することにより、中国の封じ込めと国益の最大化を目指す。

高市首相がトランプと組む理由とは?サナエノミクスの核心に迫る◎渡邉哲也氏(3/4)|『世界と日本経済大予測2026-27』PHP研究所

日本とアメリカが完全に連携すれば中国の封じ込めが確実になる

日本とアメリカが完全に連携する状況となれば、中国の封じ込めは確実に固まる。 アメリカはこの連携を実現したいと考え、日本側も東シナ海および南シナ海の安全保障を守るために連携が必要であると認識している。 このため、日本とアメリカは親密な関係を築き、連携を強化する必要がある。

高市内閣は初代内閣の失敗を避けて非常に綺麗な姿で船出した

高市内閣はすでに船出をしており、初の外遊先をマレーシアとしたことが大きな話題となった。 前回の初代内閣は、記念撮影の際の立ち位置の調整などが全くできておらず、だらしのない状態であった。 高市内閣は非常に綺麗な立ち位置での写真が公開され、これは外務官僚などがプロトコルを遵守してセッティングしたものと思われる。

初外遊でトランプ前大統領との電話会談を実施し顔を立てた

高市総理はマレーシアに到着するとともに、ドナルド・トランプ前大統領と初の電話会談を行った。 これはトランプ前大統領の顔を立てたかたちで、日本ASEAN首脳会議に臨んだことを示す。 日本がメインとなるため、日本がセンターに立つかたちで会談が行われた。

日本とアメリカの再連携が世界の構図とアジアのプレゼンスを強化する

収録時点ではトランプ前大統領の来日後の詳細は不明だが、日本とアメリカが再び手を結び二人三脚で歩むことが宣言されると予測される。 アメリカの孤立が指摘されているものの、トランプ前大統領はイタリアのメローニ首相との関係やイギリス国王との関係を繋いでいる。 これまでトランプ前大統領と前総理の二人三脚は実現できていなかった。

トランプ前大統領と高市総理の連携はアジアにおけるアメリカのプレゼンスを一気に高める

トランプ前大統領と高市総理の後継者がしっかりと手を繋いだことが世界にアピールできれば、アジアにおけるアメリカのプレゼンスは一気に上昇する。 日本の安全性が向上するとともに、現在問題を抱える中国、フィリピン、台湾などの国の安全性も高まる。 日本とアメリカが完全に連携することで中国の封じ込めが確実に固まる。

日本はアメリカから関税等でさらなる有利な条件を引き出したい

日本側としては、アメリカと親密な関係を築くことにより、アメリカからさらなる関税などの条件を引き出したいという思惑がある。 これは外交交渉における日本の利益を最大化する戦略である。

アメリカは造船技術や特殊鋼の生産技術を日本企業に頼る状況にある

アメリカ国内では、現在物を作ることがほとんどできず、民間の商用船を作れる造船所はほとんど潰れるか他国へ移転してしまっている。 また、電磁特殊鋼などの特殊な鉄鋼を作る技術をアメリカは持たず、生産することもできない。

日本製鉄によるUSスチール買収はアメリカの技術的欠損を補う

先日成立した日本製鉄によるUSスチール買収は、アメリカの技術的欠損を補う大きな原因となった。 日本製鉄が資金を投入し、技術を提供することで、アメリカでも電磁特殊鋼などの特殊鋼を作れるようにした。 これは船や新しい自動車を作るための原動力となる。

日本企業が技術を投下し日米の経済安全保障協力を高める

アメリカから製造技術が奪われて失われている分野に関して、日本企業が技術を投下し、それを拡大させていく。 これにより、日米の経済安全保障協力が高まっていくことが期待される。 例えば、都市鉱山からレアアースを抽出する技術なども日本は有している。

日本の技術がアメリカと世界の発展に貢献する

日本とアメリカが共に発展に向けて技術革新を進め、協力を進めていくことが重要である。 先端分野においても、日本のメーカーは半導体を作る技術や素材など様々なオンリーワン技術を持っている。 アメリカには設計技術などはあっても、実際にものづくりをする技術が海外に流出している。

日本企業はアメリカでの製造を通じて世界に貢献する

アメリカは台湾のTSMCやサムスン電子、SKハイニックスなどの汎用メモリーメーカーにアメリカでの製造を求めている。 このような流れの中で、日本企業が果たすべき役割や貢献できることは様々にある。

燃料の主軸が化石燃料に再び移り日本の技術が重要になる

EVやグリーンエネルギーから、時代型の石炭を含む化石燃料に燃料の主軸が再び移った。 これは以前から予測されていた通りである。 そうなってくれば、日本の石炭タービンやエンジン、ヒートポンプ技術など、様々な省エネ技術や日本でしか作れない技術が非常に優秀である。

日本の技術が二酸化炭素削減と世界復旧の中心となる

これらの日本の技術をアメリカに移転するとともに、世界中に販売していくことが大きなきっかけとなる。 二酸化炭素と地球温暖化の関連性について疑問が呈され始めたが、二酸化炭素を削減するためには日本の技術が不可欠である。 日本が中心となって開発・量産を進め、世界に普及させていくことが世界への貢献となる。

高市内閣は日本の技術力を世界に広める大きな役割を担う

日本の技術を世界に普及させることこそが、この高市ノミクス、高市内閣が果たすべき最も大きな役割である。 日本人が誇るべきオンリージャパン技術が、その基盤となる。

基礎研究分野への重点的な資金投下が必要である

日本はノーベル化学賞とノーベル医学賞の2つのノーベル賞を受賞したが、基礎研究分野でも資金不足により人材が海外へ流出している側面がある。 このため、本当に必要な科学技術分野に限定し、資金を重点的に投下する必要がある。

大学の統廃合や外国人政策の転換が必要である

無駄な学校をスクラップアンドビルドしていくことも必要であり、これは維新との合意の中にもある。 多くの諸外国では、外国人の授業料によって自国民の授業料が賄われている現状があり、日本もそれに合わせる必要がある。

外国人政策においてオーバーツーリズム問題の是正が必要である

異文化共生や外国人問題においても、現在はオーバーツーリズム状態に完全になっており、日本人が自由に観光や出張ができない状況が生じている。 外国人が利用する観光地は日本人の税金で作り上げられた財産であり、ただで使わせる必要があるのかという議論も含め、大きな外国人政策の転換が必要である。

環境問題においても転換点に直面している

山肌を削り、熊が住めない土地を作り出すことがグリーンであるはずがない。 このような意味で、大きな転換点になるのではないかと多くの国民が期待しているのがこの高市政権であり、その手腕が今後問われる。

EVには多くの問題が出てきておりハイブリッドが優位である

中国がEVを普及させようとした背景には、ハイブリッド車を作れない日本の自動車技術に勝てないという状況がある。 しかし、現在、EVには様々な問題が出てきている。