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ついに崩壊が現実に…中国経済の終わりの始まり◎渡邉哲也氏(4/4)|『世界と日本経済大予測2026 27』PHP研究所

中国の不動産バブルは終わりを迎えず仕事は失われている

中国の不動産バブルは終わらず、仕事はどんどん失われている状況である。 世界と日本経済大予測2026から2027年版が発刊された。 もう一つの軸となる中国は元気がなく、四中全会が開かれたが、音信不通の状態で世界中から注目されていない。 中国のバブル崩壊は進んでいるが、バブル崩壊の実態は全く見えてこない状況だ。

中国には30億人分以上の未入居物件がある

中国の人口は11億人から12億人しかいないが、30億人分以上の未入居物件が存在する。 鬼の城と書いて[きじょう]と読むゴーストタウンがある。 ゴーストタウンの実態はよく分かっておらず、人が住めるような状況ではないという話もある。 鉄道が通っていないことや、人がいないために鉄道の便が減ってしまった状況も発生している。

恒大不動産の海花島マンションは手抜き工事の実態がある

中国恒大集団が作った恒大不動産の海花島という人工島には、28棟のマンションが建設された。 マンションは28階建てから30階建てで、地下1階から地下5階までが共通の通路である。 地下2階、3階、4階は駐車場であるが、車が衝突した際にコンクリートが崩れ始めた。 柱のかぶり厚は本来7cmから10cmが必要だが、わずか7mmしかない。 海砂をそのまま使っているため、鉄骨がボロボロになり、鉄筋が弾けて露出した状況である。

30億人分の未入居物件もどの程度残るか分からない

28階から30階建ての建物が多数建っているが、あっという間に崩れる可能性が指摘される。 手抜き工事が蔓延していることから、30億人分の未居住居もどの程度残るか分からない状況である。 中国では手抜き物件の状況がひどくなっている。

未入居物件が解決しない限り不動産バブルは終わらない

中国の未入居物件が解決せず、新たな買い手がつかない限り、不動産バブルは終わらない。 しかし仕事はどんどんなくなっている状況である。 どこかで需給がクロスするまでは、バブル崩壊は改善されない。

日本のバブル崩壊からの脱却には約30年かかった

この需給のクロス点に苦しんだのは日本であり、バブル崩壊からの脱却まで約30年を要した。 日本での事例を考えると、中国の将来はバブルの部分の解消までにかなりの重みがのしかかる。

中国の主力産業にオンリーワンの技術はほとんどない

中国の主力産業にオンリーチャイナという技術はほとんどない。 中国での製造が最も安いから作っているのであって、他の国でも作れるものは多い。 確かに技術は進んでいるが、基礎的な研究の部分が少ない。

半導体の基礎的な素材や製造機械が作れない状況である

半導体問題がその典型であり、半導体の設計はできても、半導体を作る機械や素材が作れない。 基本的な高純度の素材等が作れないため、結果的にそれが大きな足枷になっている。 これが中国の現状である。

EVの部品点数はハイブリッド車より大幅に少ない

EVも同様に問題がある。 自動車やエンジンやハイブリッドなど高品質な車を作ろうと思うと、非常に多くの部品点数が必要となる。 ハイブリッド車では3万5000点以上の部品が必要であり、そのうちの半数近くがカスタムの特殊な部品である。 EVは1万点程度の部品で生産が可能である。

中国はハイブリッド車が作れないためEVを普及させた

EVの基本的なプラットフォームは外注で販売されており、その上にオペレーションシステムやソファ、ボディを乗せるだけである。 EVはAI自動運転付きのカートである。 ハイブリッド車が作れない、基幹産業にかなう自動車が作れないからこそ、中国はEVを普及させようとした。

EVには電池の爆発や火災の問題が発生している

EVには多くの問題が出てきている。 電池は非常に重い、爆発する、火を消せないなどの問題である。 4000台を積んだ自動車運搬船がすでに4隻沈んでいる。 一度火が出たらどうしようもない状況だ。

船会社はEVの乗船を断る事例が増えている

カーフェリーに至っては10数台が沈んでいる。 このような状況で、EVのフェリーや自動車運搬船への乗船を断る船会社が増え始めた。 結果的に現地生産するしかないのが今の状況である。

中国政府はEV普及のために膨大な補助金を使った

EVを普及させるために、中国は膨大な補助金を使ってきた。 中央政府が販売した時に補助金をつけ、地方政府が販売した時にも補助金をつけた。 しかしEVの問題は電池の寿命が8年であることだ。

電池交換費用が本体の中古価格より高いため転売できない

8年経った時に電池交換をしなくてはいけないが、この電池交換の費用が本体の中古価格より高い状況にある。 そのため再販価格がつかず、EVは転売できないのが欠点であった。

中国政府は買い取りと転売の補助金を追加した

EVの欠点を補うために、中国政府はディーラーに対して買い取りの補助金を追加した。 買い取ったディーラーだけではなく、そこからさらに買い取ったユーザーに対しても補助金をつけた。

BYDなどは補助金を不正に取得していた

このシステムを利用したのがBYDなどの自動車ディーラー群である。 自動車ディーラーは売れていない車を売れたことにして、中央政府と地方政府からの補助金を取得した。 さらに転売して買い取ったことにして買い取り補助金を取得した。 また転売したことによって転売補助金を取得し、1台で4回の補助金を取っていた。

中央政府からの補助金が止まりシステムは壊れ始めた

中央政府からの補助金が止まったことによって、このシステムは壊れつつある。 それによって、中国最大手のBYDの地方ディーラーが破綻した。 売れていなかったのに売れたことにして、補助金で資金を回していたが、ついに地方ディーラーは力尽きたのである。

走行距離ゼロの車が中古市場に大量に流れ始めた

走行距離ゼロの車が中古市場で半額程度で大量に流れ始めた。 半額で新古車が出てしまえば、新車は売れない。

BYDも32パーセントオフの割引販売を始めた

2024年2月から、中国最大のBYDも32パーセントオフという割引販売を始めた。 結果的に自動車の原価を割って販売する形になり、過当競争で自動車の値段が値崩れしどうしようもない状況である。

BYDの不正な手形払いが発覚した

BYDの一種の粉飾が発覚した。 通常、今日では手形払いをしている企業はほとんどない。 ところがBYDは自らが強い立場を利用し、下請けや関係メーカーに対して1年先の手形で支払っていた。

簿外債務が約6兆円あることが明らかになった

大外的には5000億円しか赤字がないと言っていたが、この手形の見払いが約6兆円あることが明らかになった。 そのような状況の中で、資金的な問題もこれから大きくクローズアップされてくる。

安価なEVの流入によりヨーロッパの市場は破壊された

世界的に、中国からの安価なEVの流入によって、国内マーケットが破壊された。 ヨーロッパの自動車メーカーなどもEV化をやめて、再びエンジン、再びディーゼルへの動きが強まっている。

EVは本当に環境に優しいのかという問題がある

ライフタイムサイクルで見た場合、本当にEVは使い捨てであり、グリーンなのか、省エネルギーなのかという問題がある。 確かに充電したら排ガスは出さない。 しかし電気を発電する過程で環境に負荷をかけている。 補助金をつけなければ売れないような車に、エコロジーな部分はない。

トランプ政権がグリーンの欺瞞を暴き圧力が強まった

そのような欺瞞、グリーンの欺瞞がトランプ政権により一層暴き出され、中国に対する圧力によってさらに厳しい状況になっている。 中国のEVに対し、アメリカは3500パーセントという関税をかけているものもある。 100万円の車が3600万円のフェラーリになってしまう状況である。 日本もそのような対応をしていかなければならない。

中国の船は入港料など様々なチャージがかかっている

中国はそれ以外にも、船に対する使用料があり、中国の船を利用した場合、2000トン級で約1億5000万円の入港料がかかる。 様々な形で税金プラスアルファのチャージがかけられている状況にある。

アメリカの経済圧縮により中国は輸出に苦しみ内需も崩壊している

アメリカによる経済圧縮によって、中国は輸出に苦しむだろう。 そして内需も崩壊している。 このような状況で習近平がこれからどのような政策を打ってくるか注目される。

南半球が豊かになったことによって資源の奪い合いが生じた

地球の北半球は豊かであり、南半球は貧しい状況であった。 貧しい国が豊かになったことによって、資源の奪い合いが生じてしまった。

自民党は支援を得る構造に特定の母体となる構造体はない

自民党は様々な省や様々な人々から支援を得ている構造なので、特定の母体となる1つの構造体はない。 特定の母体となる1つの構造体を補ってきたのが企業団体献金でもあった。

日本の技術はアメリカ移転と共に世界中に販売される

様々な技術や日本でしか作れない技術をアメリカに移転するとともに、世界中に販売していく大きなきっかけになる。 【核心的主張】: 中国の不動産バブル問題は深刻であり、未入居物件の解決や仕事の創出がない限りバブルは終わらない。 中国のEV産業は補助金による不正な成長と技術的な課題を抱えており、アメリカの経済圧迫や関税強化によって輸出に苦しんでいる状況である。 今回の処理分がすべて完了した