[EVをあえて選択する人々の思考パターン]と[山登りで遭難する人々の思考パターン]は類似している

  • [EVをあえて選択する人々]も[山登りで遭難する人々]も、危険性に対する見積もりが甘く、過度に楽観主義的である。
  • [最悪のシナリオを考慮した安全サイドの視点に立つ判断ができない]という傾向をもった人々が、[EVをあえて選択する][山登りで遭難する]という結果に至るのだと思う。
  • [山登りで遭難しない人]は、いい意味で怖がりであり、無謀な挑戦をせず、諦めよく撤退する人である。

熱源としての電気は頼りない

  • 鉄板とガラスだけで覆われた自動車のキャビンは断熱性能がきわめて低いため、とくに冬季におけるエンジンの廃熱を利用したヒーターという装備が必須となる。だからEVは避けよ。エンジン車かハイブリッド車にしておけ。
  • ヒートポンプ方式を採用した最近のエアコンですら、暖房では十分な熱量が得られないことが知られている。エアコンの暖房はうすら寒い。その割に電気をバカ食いする。
  • 家庭の暖房で即効的に部屋が暖かくなるのは、都市ガスを使ったガスFF暖房機である。断熱性能が高い部屋では、すぐに汗が出るほど暖かくなる。
  • 暖房にかんしては、[電気由来の暖房はうすら寒く、液体燃料やガス由来の房機はパワフルである]というイメージで捉えておくとよい。
  • 実際、キャンピングカー界隈では、夏季にはエアコンをクーラーとして用い、冬季にはFFヒーター(灯油・軽油)を用いるのが定番である。
  • [ガソリン1kg]と[リチウム・イオン・バッテリー1kg]に含まれる熱(発熱量)エネルギーの比は、約300対1である。
  • 軽い重量で熱量を稼ぐには、ガソリンのほうが300倍も有利である。これは動かしがたい前提である。
  • したがって、冬季に電気由来のエアコンしか暖房の手段をもたないEVは、うすら寒い暖房の割に、暖房が航続距離を縮めてしまう、愚かしい結果に至りやすい。
  • 結局、[冬季の寒さしのぎには、自動車が必ず燃焼系をもたなければならない]という公式のようなものがあるのだと考えてよい。
  • それは、EVを避けて、エンジン車かハイブリッド車にしておけ、ということだ。

EVは[動力]と[空調]が同一電源である致命的なリスクを抱えている

  • EV最大の盲点は[走るためのエネルギー]と[冬季に命を守る暖房のエネルギー]が同じ一つのバッテリーを食い合っている点である。
  • エンジン車は、走行燃料(ガソリン)が残り少なくなっても、エンジンが回っている(アイドリングしている)かぎり、効率の悪さゆえに大量に発生する[廃熱]がタダで暖房として降ってくる。
    • 最悪、車が動かなくなっても、燃料さえあれば何十時間も暖を取り続けられる。
  • 福井のカズさんのN-VAN e:の例のように、豪雪地帯や冬の長距離でバッテリー残量(SOC)が減ってくると、ドライバーは[走る(帰る)]ために[暖房を切る・弱める]という究極の選択を迫られることとなる。
  • つまり、EVは[動力]と[空調]が同一電源であるため、[動力]と[空調]とがトレードオフの関係になる点が地獄なのである。
  • 夏季にエアコンが使えなくても、走行さえできれば、窓からの風でギリギリ、涼を得ることができる。
  • しかし冬季に暖房が弱いと、かじかむ手で寒さに震えながら運転するため、注意散漫になりがちであり、危険だといえる。
  • また冬季の低温環境で一定以上の高速で走行することは、車体を寒風で冷却する効果が大きいため、車内は想像以上に寒くなる。
  • 寒冷地において、ヒーターを切ることは体温低下に直結するため、安全マージンが極めて狭いといる。
  • EVの場合、給電ができない地点で冬季に電欠すると凍死するリスクもあるから、EVだけはマジでヤメトケ。
    • 大雪による数日間の立ち往生(例えば関越自動車道などの過去の事例)が発生した際、EVではバッテリーが尽きれば一瞬で暖房が途絶え、凍死のリスクが高まる。
    • ハイブリッド車(HEV/PHEV)であれば、最悪バッテリーが空になっても液体燃料で走り、かつ暖房も確実に確保できる(エネルギーの二重化=冗長性)。
    • ガソリンスタンドに辿り着きさえすれば、走行も暖房も得られる、エンジン車、または、ハイブリッド車が、安全サイドの考え方であることは自明である。
  • リスクマネジメント(安全工学)の原則である[フェイルセーフ(失敗しても安全な側に倒す)]の観点から見れば、冬がある地域においてEVを回避しておくという判断を下すのは、完全に理にかなっている。
  • 安全サイドの視点に立てば、EVがそのポテンシャルを100%発揮できるのは、[電欠が命の危機に直結しない環境(温暖な地域、インフラの整った都市部、あるいは完全に管理された構内・地下道など)]であるといえる。

EVのリセール・バリューが低いのは、[バッテリーの性能劣化]と[バッテリーの処分費用の高額さ]による

  • EVを中古車として販売する場合、相当、買い叩かれる。
  • それはEVは使用によってバッテリーが劣化するから、そして、バッテリーを処分する費用が高額だからである。
  • EVの多くは、リチウムイオン二次電池を用いているので、使っているうちに充電容量が減っていく。それはスマホと同じである。
  • バッテリーの劣化したスマホが欲しいか? 欲しくはないだろう。
  • バッテリーの劣化したEVが欲しいか? 欲しくはないだろう。EVのバッテリーは高額であり、交換するぐらいなら新車を買えと言われる。
  • EVはバッテリーがヘタったら使い捨てにする自動車なのである。
  • ハイブリッド車においても、バッテリーの劣化という条件は同じであり、EVに準ずるバッテリーの弱さを、ハイブリッド車は抱えている。
  • 結局、エンジン車にしておくのが無難なのである。
  • エンジン車を使いながら、カーボンニュートラルを実現するためには、フリーエネルギー由来の電力で、e-fuelを安く製造し、これを社会の標準燃料とすることが、最も安上がりだと思う。
  • 現在稼働しているエンジン車を、環境規制だの何だので、急にハイブリッド車に置き換えることは、予算的にできない。
  • またハイブリッド車そのものが、バッテリーを抱えている、問題ある乗り物だというのだから困った。
  • 究極的には、バイクや自動車を個々人が使わないで済むように、公共交通機関を十分に発達させることが重要だということになる。
  • バイクや自動車を減らしながらも、社会的利便性を保つためには、公共交通機関を十分に発達させるしかない。
  • カーボンニュートラルやら、排気ガス規制などを強調するのであれば、究極的には、バイク産業・自動車産業をつぶすしかなくなる。
  • それは結局、鉄道やリニアを中心とした公共交通機関を十分に発達させた社会作りを早急に実現するべきだということを意味する。
  • 個人的には、個々人が運転する社会は、田舎くさい駄目な社会だと思う。

EVは自宅用充電設備を設置できる持ち家の人にしか向いていない

  • EVのランニング・コストが安くなるのは、自宅に充電設備が設置済みで、深夜電力などを用いて充電するからである。
  • これは、不意の外出ができないことを直接的に意味する。
  • そしてEVでは、給電スタンドを綱渡りするような、計画的なドライブが必須となり、これが大きなストレスになる。
  • 都市部の住人の多くが、バイク・自動車を保有せず、もっぱら公共交通機関と自転車のみを用いている。
  • それは都市部の住人の多くが、賃貸住宅の狭い部屋に住んでおり、自宅に充電設備を取り付けることなど、望むべくもないからである。
  • 経済的な発展が極まっていくと、人々は都市の狭い集合住宅に住み、バイク・自動車を保有しない人が増える傾向があると思う。
  • 経済的な発展が極まった国において、バイク販売・自動車販売は、ふるわないのが自然な在り方だと思う。